スペインの物価上昇を振り返る:10年前と今

私は毎朝行きつけのカフェでカフェ・コン・レチェ(コーヒーの牛乳入り)をテイクアウトして職場に向かう。

いつものようにお金を置いて出ようとしたら呼び止めらた。どうやらお金が足りなかったようだ。

1.80€で飲んでいたカフェが今年は1.90€に値上がりした。ほぼ毎年値上がりしている。😭

毎日のように飲むので値上がりは辛い

日本でも物価が上がっているのに給料は上がらないと嘆きが聞こえる。近年、世界中で物価の上昇が話題となるがスペインも例外ではない。

そこで今回この記事では、スペインの日常生活で身近な商品の価格や家賃などを10年前と比較し、どのような変化があったのかを具体的に見ていきます。


食料品の価格

スペインでの物価上昇を最も実感する場面の一つが、スーパーでの買い物です。例えば、日常的に消費される以下のような商品の価格変化を見てみましょう:

  • パン (1本): 10年前は0.60€程度で購入できましたが、現在では1.00€を超えることが一般的です。
  • 牛乳 (1リットル): 10年前は約0.80€でしたが、現在は1.20€程度に。
  • オリーブオイル (1リットル): 2013年頃には3.00€前後でしたが、現在では7.00€近くにまで上昇しています。

特にオリーブオイルは、スペインが世界最大の生産国であるにもかかわらず、原材料費や輸出需要の増加、天候不順の影響で価格が急騰しています。

ちなみに私が住んでいる地域はお隣がフランスで車で20分ぐらいで行くことができます。パリは物価が高くて有名ですがフランスも地方に行けば物価は安くわざわざスペインからフランスに買い出しに行く方もいます。

外食費用

スペインのバルやレストランでの価格も上がっています。

  • エスプレッソコーヒー (カフェソロ): 10年前は1.00€未満で飲める場所も多かったですが、現在は1.50€–2.00€が主流です。
  • タパス (小皿料理)バスク地方ではピンチョスと呼ぶ: 1品あたり2.50€程度が平均的でしたが、現在では4.00€以上になることも。本当に値上がりがすごい‼️
  • ランチセット (メヌー・デル・ディア): 2013年頃は10€以下で楽しめましたが、現在は15€程度が一般的です。

交通費

公共交通機関の利用料金も上昇しています。

  • 地下鉄やバスの1回券: 10年前は1.50€程度でしたが、現在は2.00€前後に。私がスペインに来た時は1.30€だったのが現在では1.85€‥ただバスカードを持っていると現地の人はかなり安くバスに乗ることができます。
  • 長距離列車 (AVEのチケット): 10年前に比べて約20–30%高くなることもあり、例えばマドリード–バルセロナ間では片道50€–80€以上が普通です。(時期や時間帯などで大きく変動します。)

家賃と住宅価格

スペインの大都市では、家賃の上昇が特に顕著です。

特にバルセロナでは大きな問題となっており家賃引き下げと生活環境改善をもとめるデモも起こっています。

  • マドリードやバルセロナの1LDKアパート: 2013年には月600€–700€で借りられる物件もありましたが、現在では1,000€を超えることが一般的です。
  • 地方都市の家賃: 10年前は400€程度で済んでいた物件が、現在では600€–700€に。
  • 住宅購入価格: 特に観光地や都市部では、平方メートルあたりの価格が10年前と比べて30–50%上昇しています。

    なぜバルセロナの家賃は高騰しているのか?

    バルセロナの家賃高騰には、いくつかの要因があります:

    1. 観光業の影響
      バルセロナは世界的に有名な観光地であり、観光客の増加に伴い短期賃貸(Airbnbなど)が普及しています。その結果、地元の賃貸市場に出回る物件が減少し、家賃が上昇しています。
    2. 人口の集中
      バルセロナはスペイン国内外から多くの人が移住してくる都市です。特に若者や労働者、留学生に人気があり、住宅需要が高まっています。
    3. 住宅供給の制限
      都市の歴史的な景観を保護する政策や、新しい住宅建設の制限が供給不足を引き起こしています。この供給の不足が家賃を押し上げる要因となっています。
    4. 経済回復と投資の増加
      スペインの経済が回復し、外国人投資家がバルセロナの不動産を購入するケースが増えています。こうした投資は高級物件の価格を引き上げ、それに伴い全体の家賃水準も上昇しています。

    このように、観光業、人口集中、供給制限、投資ブームといった複数の要因が絡み合い、バルセロナの家賃高騰が引き起こされています。

給与の変化

一方で、物価上昇に見合った給与の増加は限定的です。スペインの平均月収は10年前の約1,650€から現在では約1,750€–1,800€に増加しましたが、生活費の上昇速度には追いついていません。

スペインの平均月収もこの10年間で変化(中央値)

  • 2013年の平均月収: 約1,650€。
  • 2023年の平均月収: 約1,750€–1,800€。

給与は確かに増加していますが、物価上昇のスピードには追いついていません。例えば、家賃や食料品の価格は20–50%の上昇を記録しているのに対し、給与の増加率は10%前後にとどまっています。

さらに、地域ごとに平均月収の差が大きいのも特徴です。マドリードやバルセロナなどの都市部では平均月収が高めですが、生活費も比例して高く、実質的な可処分所得が少ないと感じる人も多いです。一方、地方では生活費が比較的安いものの、給与も低めに抑えられる傾向があります。

この10年間でスペインの物価は大きく上昇し、特に食料品、住宅費、交通費の増加が生活に直接的な影響を及ぼしています。スペインでの生活を考える際には、これらの変化を考慮に入れる必要があります。一方で、物価上昇にもかかわらず、スペインの魅力的なライフスタイルや文化は健在です。物価に対する対策を講じながら、スペインらしい生活を楽しむ工夫が求められる時代と言えるでしょう。


まとめ

この10年間でスペインの物価は大きく上昇し、特に食料品、住宅費、交通費の増加が生活に直接的な影響を及ぼしています。スペインでの生活を考える際には、これらの変化を考慮に入れる必要があります。一方で、物価上昇にもかかわらず、スペインの魅力的なライフスタイルや文化は健在です。物価に対する対策を講じながら、スペインらしい生活を楽しむ工夫が求められる時代と言えるでしょう。


読者の皆さんも、スペインや日本また他の国での物価上昇に関する体験や意見があればぜひコメント欄でシェアしてください!

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